ブラジルワールドカップと日本(一応①)

さて、ワールドカップも終わりましたので、日本人の大好きな総括でもしてみましょう(笑)
一応代表チームそのものと、周辺部分と二本立てで構成はしましたが、後者は時間の関係でパスするかもしれません。

まずは総括
総括といってももちろんプラスもマイナスもありますが、1分2敗という結果を「素晴らしい結果だ」という人はまずいないでしょうから、まずは問題点を探すことになるのでしょう。
端的に言うなら4年間通じてチーム最大の問題点として存在していたのはフィロソフィーの欠如とリーダーシップの欠如ということなんじゃないかと思います。

フィロソフィーの欠如
負けが重なってくる中で選手達がよく理由としていたのが「『自分達のサッカー』ができなかったこと」でした。
で、それに対して「できる時の方が少ないんじゃないのか?」とか「できたとしてもそれだけでは現代は無理だ。戦術オプションが少なすぎる」とかそういう方向性から批判がありました。それはごもっともですが、私がより気になったのは「目指すサッカーによって何を実現しようとしているのか」という点。

例えばポゼッションとかやるに際して、クライフさんの有名な言葉「ボールを相手に渡さなければ失点をすることがない」というのがあったりします。こらちがボールを持っていればディフェンスはいらない。まあ、それは極端ですけれど、そうしたベースとなる考え方があればうまくキープできない場面に、「ではそのためにどうするか」というあたりの修正もできるわけです。例えばペップは「取られたらすぐ奪ってボールをキープしろ」みたいなことになるわけですね。

翻って日本の攻撃サッカーというものを考えると、さてこれは何を企図したのかがはっきりしない。

日本人はアジリティのある選手が多いのでそれを活かすためか。
アタッキングサードの個の力に欠けがちな日本が点を取るには攻撃機会を増やすしかないからか。
スペインとかバルセロナがやっていて見た目が恰好いいからか。

その優先順位がはっきりしない。多分今回いた23人に聞いてもまちまちな答えが返ってくるんじゃないかと思いますね。ま、一番下はいないでしょうけれど(笑)
そこが曖昧なので、うまくいかない時に途端に目指す方向性がバラバラになってしまう傾向がありました。これはウズベキスタンとホームでやった試合から、ブラジルとの試合もそうですし、コンフェデもそうですし、ワールドカップもそんな感じでした。

上を目指すほど基本が大切になるわけですが、どうも基本がはっきりしないまま上につみ過ぎて、結果もやもやしてしまうチームになった感を受けました。


リーダーシップの欠如

フィロソフィーの確立とかそういう部分で、監督と協会(ついでに選手も)の主導権とか権限がはっきりしなかったというのがあったように思います。

ザッケローニのキャリアを見ると、ウディネーゼとかミランではうまくいったけど、ユーヴェやインテルではうまく行かずそれ以降セリエでも中~下位のチームを指揮することが多くてやっぱりうまくいかないことが多かったという変遷があります。
で、私は就任が決まった時に「日本人はイタリア人と違って変な自己主張が少ないから、ザックにとってやりやすいだろうし、うまくいく可能性が大きいんじゃないか?」と思っておりました。
今思うに、実は全く反対だったのかなと思っております。
建設とかで例えると、ザックは優秀な監督だけど建築家ではなかった感はあります。設計図とかがあると素材とかそろえていい建物を作るけど、一から何か設計するという感じではなかったんでしょう。ポッツォ家が色々用意してくれたウディネーゼとか、ガッリアーニがブイブイ言わせていたミランではやりやすかったけど、そもそもチームがハチャメチャだったインテルとかユーヴェ、下位チームではうまくいかなかったんじゃないかと思います。
で、元々そういうキャラクターの人でしょうから、初めての国に来て当然「俺についてこい」とかそういうことにはならないでしょう。「こんなものを作りたいから、そのために知恵を貸してくれ」というのが一番ハッピーだったはずです。

ところが困ったことに日本の協会にもそのあたり確たる指針はありません。むしろないから外国人監督を呼んだわけですからね。おそらく原さんあたりが「こんなチームにしたい」という説明をしたんだろうと思いますが、それをベースに設計図を作ってほしかったはず。
ということでどちらも設計図を固めない、土台の少ない設計図なんで補てんのために戦術知識で色々細部修正を加えていかないといけなくなる。となると結構ややこしいことになる。ややこしいので長いこといる選手でないと掌握できないから優先されるようになる。ややこしいことを理解していくうえで長いこと一緒にいる人達には連帯意識は芽生えていく。
団結して強さを発揮する、というチームでもないのに結構連帯しているチームになった経緯はこんな感じだったのかな~と。
で、このあたりのややこしいものが「自分達のサッカー」というものになっちゃったんじゃないかと、結構ひどい言い方ですがそんな気もします。

今後の話
次の監督はハビエル・アギーレらしいという話がありますが、まだ決定事項でないので何ともいえません。
一方、原さんのいた強化担当には宮本恒靖が入るということは決定しているようです。

恒サマは余程のことがない限り今後20~30年は日本サッカーに携わっていくでしょう。で、そう遠くないうちに重要事項を決定できるポジションになるだろうと思われます。
将来的には恒サマが「攻撃的守備的は別にして日本はこういうフィロソフィーでチームを作るんだ」というような理念を固めて、それに応じて監督(Aからユースまで)の人選をしていくことになりそうです。

ただし、現時点では恒サマには若葉マークがついていますのでさしあたりチーム作りで主導権を握ることのできる監督が望ましいことになりそうです。ザックタイプの人が来るとまた原さんが中途半端にやることになりかねないし(苦笑)
となると、役割分担をしがちな西欧の監督よりは南米なり東欧の独裁者型の監督の方がいいのかなと(アギーレがそういうタイプなのかは分かりませんが)。ちょっと極端なことを言えばタイプの異なる監督を2年ずつ指揮させてしまうくらいでもいいのかもしれません。

次の4年は結果もさることながら、今後も見据えて恒サマにいい経験を積ませていくような方向性で進んでほしいものです。

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No title

こんにちは。
日本代表の総括を拝読しました。
世界と日本ということでは、いまだに脱亜入欧で海外組のヨーロッパ志向が盛んだと思うと、Jリーグ発足20年は新興国でも仕方ないかなあとも思います。
また、哲学という点ではもうすでに日本には武士という生き方は誰もいなくなったという感じですし、貧しい子供時代からボールを追いかけて世界的な選手になった国々と豊かな日本とでは状況が違うのかと思います。
やはりフットボールはハングリースポーツといえるのでしょう。
ワールドカップで優勝することが大事だといえばそうですけど、日本の場合はいつもベスト16あたりまで行けるということを最終目標にして行くのが現実的かなあとも思います。
スポーツで一番を目指さないのは意味がないというのは建前で、大事なのは底上げというか世界ランキングでも20位ぐらいまで行けば万々歳というのは本音かなとも思います。
しかし、それもまだまだ遠い目標かもしれません。
宮本恒さまの見方考え方というのはどんなものか、また分かりましたら紹介して下さい。
日本フットボールを諦めているのではなくて、ただ時間がかかると思っています。

>アッペルシーニ様

個人的には歴史が浅いというあたりはあんまり理由にならないと思います。
もちろん優勝できないのは歴史の重みの違いがあるでしょうけれど、ベスト8に進んでも不可思議ではない選手層で無様な試合になってしまったのはやはり今の責任ということになるのでしょうから。

日本は少子化も進むので、今のままだとサッカーを好きでも、「生活としてサッカーを選ぶ」という人がどのくらい出てくるかという問題もありそうな気はします。

ブラジルにしても経済発展が進んで昔みたいな規格外の天才はいなくなったという話はありますね。
となると、今後天才はアフリカ経由で出てくることになるのでしょうか。
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